• 在宅医療カレッジ

    多職種協働を支える学びのプラットフォーム

     

    在宅医療は多職種協働が基本です。
    専門職は専門性を磨くことに専念する傾向がありますが、多職種が連携していくためには、専門外領域における課題の広がりと、自分以外の専門職の役割を理解しておく必要があります。
    そしてチームとして協働していくためには、目的の共有、そして課題意識(課題が存在しているという認識)の共有、課題解決に向けてのプロセスの共有が必要になります。

    在宅医療カレッジは、専門性の枠を超えた学びのプラットフォームを提供することで、在宅療養支援に必要な知識やスキルの全体像を俯瞰し、より効果的な役割分担、そしてそれぞれの専門職の役割を再定義することを目指しています。

    在宅医療における「学び」には難しさがあります。
    在宅ではそれぞれの専門職が独立して仕事をしていることが多く、現場で同職種・多職種から学ぶ機会は多くはありません。自ら意識しなければ最新の知見に触れることも難しく、専門職としての成長が滞る傾向があります。また、多職種連携の役割分担の中で専門外領域との接触機会は少なく、「知らない」こと自体に気が付いていないケースも少なくありません。

    在宅医療カレッジは、各専門職の学びのモチベーションを刺激するとともに、学びのためのオリエンテーションとナビゲーションを提供したいと考えています。

    在宅医療カレッジでは、それぞれの領域のトップランナーを招聘し、セミナーを開催しています。
    セミナーを通じて、まずはその領域の存在を知り、その領域の全体像を理解し、在宅医療職として総合的な知識を身に着けるとともに、専門職として学びを深めるべき部分を見つけ出すことができます。また、普段孤独に仕事をしている多職種が交流することで互いのモチベーションを高め合うことができます。

    多職種がともに学び、ともに考え、ともに実践し、よりよい地域連携・地域包括ケアを実現するためのプラットフォームを、参加者のみなさんとともに創っていけたらと思います。

  • 学長からのメッセージ

    Message from the President

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    在宅医療カレッジ学長
    町 亞聖 Asei Machi

     

    子供の頃からアナウンサーに憧れ1995年に日本テレビにアナウンサーとして入社。
    その後、活躍の場を報道局に移し、報道キャスター、厚生労働省担当記者として医療や介護問題などを中心に取材。(がん医療、医療事故、不妊治療、難病、社会保障問題など)

    2011年にフリーアナウンサーに転身。
    脳障害のため車椅子の生活を送っていた母と過ごした10年の日々、そして母と父をがんで亡くした経験をまとめた「十八歳からの十年介護」を出版。医療と介護を生涯のテーマに取材を続ける。

    2015年に在宅医療カレッジ学長に就任。

    オフィシャルブログ

    未来を変えるためには「今」を変えるしかない

    在宅医療カレッジに参加しているみなさんにお願いしているのは 「おかしいことはおかしいと言葉にすること」「当たり前のことを当たり前に」という二つのこと。“地域包括ケア”という概念が介護保険に盛り込まれてから10年以上経ちますが、いまだに多職種連携に手をこまねいている地域があるのは残念でならなりません。

     

    連携が上手くいっていないのは何故か?

    「ルールの違う競技をしているようだ」と表現した介護職の人がいましたが、病気を治すことを第一の目標とする医療と生活を支えることを目標にする介護は、そもそも始めからルールが違うのです。またどうしても医療が看護の上に、看護が介護の上に・・・という職域意識が払拭できないでいることも連携を阻む要因になっています。 


    地域包括ケアの目的は多職種が連携することではなく「住み慣れた地域で最期まで当たり前に暮らす」という1人1人の願いを実現するためです。在宅医療カレッジの学びの中で“医療には限界があるが介護ケアには無限の可能性がある”ということを確信しています。


    「老い」「死」を避けられる人間は1人もいないと考えると専門職も当事者であり、全ての人がこれから「看取り」を経験することになります。“もし自分だったら”という想像力を働かせて、在宅医療カレッジで得た“気づき”を仲間と共有し行動に移して下さい。未来を変えるためには「今」を変えるしかなく・・・納得して人生を生き切るために1人1人にできることを在宅医療カレッジではこれからもみなさんと共に追求していきたいと思います。

    在宅医療カレッジが本になりました!

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    『在宅医療カレッジ 地域共生社会を実現する多職種の学び21講』

     

    内容紹介
    首都圏最大級の在宅医療ネットワーク 医療法人社団悠翔会が提供する、医療・介護の多職種のための学びのプラットフォーム「在宅医療カレッジ」。多方面で活躍するトップランナーが「教授」として登壇し、満員続きの人気講義を精選して再現![2015-2017年開催分] Facebook1万人を超えるメンバー、そして地域包括ケアを実現して患者・当事者と共に生きる社会ではたらき続けたい全国の専門職に贈ります。

     

    在宅医療カレッジ3年間の集大成。
    2018年12月18日、医学書院より発売です。

    在宅医療カレッジは、専門性の枠を超えた「学び」のプラットフォームを提供することで、在宅療養支援に必要な知識やスキルの全体像を俯瞰し、より効果的な役割分担、そしてそれぞれの専門職の役割を再定義することを目指してきました。

    在宅医療における「学び」には難しさがあります。
    在宅ではそれぞれの専門職が独立して仕事をしていることが多く、現場で同職種・多職種から学ぶ機会はわずかです。自ら意識しなければ最新の知見に触れることも難しく、専門職としての成長が滞る傾向があります。また、多職種連携の役割分担の中で専門外領域との接触機会は少なく、「知らない」こと自体に気が付いていないケースも少なくありません。

    在宅医療カレッジでは、私たちの既存の価値観をひっくり返す、専門職としてのあり方が変わってしまう、そんな講義をしてくれる、それぞれの領域のトップランナーを「教授」としてお招きし、セミナーを開催してきました。

    まずは前半の21講/42時間分の講義をぎゅっと264ページに凝縮しました。この1冊で、あの人気講義のハイライトを自宅でいつでも学ぶことができます。

     


    第I部 認知症ケアの学び
    1 認知症の人とともに生きる 木之下 徹 3
    2 認知症プロアクティブアプローチケア 加藤 忠相 13
    3 なぜスウェーデンでは認知症が重症化しないのか 藤原 瑠美 23
    4 “理由を探る"認知症ケア 関わりが180度変わる 裵 鎬洙 33
    5 内側からみたレビー小体型認知症 樋口 直美 43
    6 当事者の目線で考える認知症 早期発見・早期絶望という現実と 丹野 智文 53

     

    第II部 高齢者ケアの学び
    1 高齢者の薬物療法 1 ポリファーマシー 秋下 雅弘 65
    2 ポリファーマシーの是正 平井 みどり 76
    2 車いすシーティングの可能性 シーティングで変わる車いす使用者の未来 山崎 泰広 85
    3 最期まで口から食べる 嚥下食の新しい視点と考え方 金谷 節子 95
    4 超高齢社会における栄養ケアの役割
    サルコペニア・フレイルティ・認知症と戦うには 吉田 貞夫 105
    5 リハビリテーション栄養 若林 秀隆 113
    6 口腔ケアと食支援 食べること 生きること 最期まで食べられる街づくり 五島 朋幸 123
    7 高齢者の肺炎と口腔機能を考える 前田 圭介 133

     

    第III部 地域共生社会の学び

    1 私の死生観 ホスピス医24年の経験を通して 山崎 章郎 145
    2 多死社会の処方箋 医療と介護のイノベーション 永井 康徳 155
    3 破綻からの奇蹟 いま夕張市民から学ぶこと 森田 洋之 165
    4 スピリチュアルケア・援助的コミュニケーション 小澤 竹俊 175
    5 患者の視点で考えるがんの治療と療養支援 西村 元一 187
    6 退院支援のあり方を考える 病院と在宅の連携とは 宇都宮 宏子 197
    7 これからの地域と医療のカタチ 村上智彦・西村元一からのメッセージ 佐藤 伸彦/永森 克志 205
    8 私たちは在宅医療をどう学び、どう実践していくべきか 加藤 忠相/佐々木 淳/高瀬 比左子/戸原 玄/町 亞聖/山口 高秀/吉江 悟/坂本 文武 221


    学長より 当たり前のことを当たり前に 町 亞聖 247
    おわりに 学び合いの場を広げるために 佐々木 淳 251
    付録 教授一覧 246 在宅医療カレッジ開催一覧 254

  • tour 2019 to shanghai

    上海医療介護視察ツアー2019

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    〔在宅医療カレッジ視察ツアー2019上海〕

    専門家と行く上海医療介護視察ツアー

    2019年4月8日~11日(3泊4日)

    高齢者人口が1.8億人と日本の総人口を上回る中国。大都市部を中心に急速に高齢者医療・介護の仕組みづくりが進められています。中でも最先端を走るのが上海。介護保険制度の導入、ホームドクター(家庭医)の制度化などの仕組みづくりの面でも、そして認知症ケアのコンセプトの面でも、非常に急速に進化を遂げています。そして、一部、明らかに日本よりも進んでいる領域も出現してきています。

    今回の視察ツアーでは、沸騰する上海の医療・ケアの最前線を視察するともに、上海市政府(民政局)や上海の優良介護事業者と本音の交流を行います。ツアーには加藤忠相(あおいけあ)、丹野智文(認知症当事者、日本認知症ワーキンググループ)、高瀬比左子(未来をつくるkaigoカフェ)、山国秀幸(映画「ケアニン」プロデューサー)ら、日本の認知症ケアの第一線で活躍する専門家が5名同行、参加者間の意見交換を通じて相互に学びを深め合うことができます。またツアーのコーディネータは中国の医療介護の現場を知り尽くし、NHKの中国取材の企画やプレジデントオンラインなどの各種メディアでもトップライターの一人として活躍中の王青さん。3泊4日の滞在で、中国・上海の医療介護のリアルタイムの実情が総合的に理解できるようになるはずです。

    上海が初めての方にもおすすめできる、短期間で見どころを網羅したツアーです。

     

     

    ●上海の「地域包括ケアシステム」、地域密着の小規模多機能での認知症ケア、介護サービスセンタ―、食機能センターなどを視察・運営者と交流。

    ●日中の専門家・学識経験者による合同シンポジウム・公開ディスカッションに参加

    ●地域医療の現場(ホームドクター、ICTの活用など)を視察、漢方専門大型病院など日本にはない医療医療現場も密着し、地域医療と介護の連携についてもその現状を把握。

    ●中国で最も成功し、国内外から注目されている民間介護施設の見学・意見交換

     

    ■ツアーに同行する専門家チーム(現地シンポジウムで講演)

    ・加藤 忠相 株式会社あおいけあ 代表取締役

    ・丹野 智文 日本認知症ワーキンググループ・おれんじドア 代表

    ・高瀬比左子 未来をつくるkaigoカフェ 代表

    ・山国 秀幸 株式会社ワンダーラボラトリー 代表取締役社長

    ・佐々木 淳 医療法人社団悠翔会 理事長・診療部長

       

    ■ツアーのポイント

    ●高齢化の進む中国でも最も高齢化率が高い都市、上海。65歳以上の人口は299万人で上海の戸籍人口の20.6%、中国全国平均12%を大きく上回る。福祉政策やその取り組み、運営実績など、中国全土のモデルであり常に先行するトップランナー的な存在。そんな上海でも認知症ケアや在宅介護など課題は多い。

    上海市政府民政局を訪問し、高齢社会に対する政策や今後の方向性について最新の情報を収集できる。

    ●2017年から毎年、認知症ケアについて日中交流のシンポジウムが開催されてきた。日本からの専門家が登壇し日本の認知症ケアの最新動向を発信する。上海では大きな話題となり、日中交流イベントのブランド的な存在として確立されつつある。今年は三回目の開催となり、より大きな期待が寄せられている。このシンポジウムを通じて、中国の専門職や経営者・政策担当者と交流できる。

    ●上海は中国全土に先がけ、GP(ホームドクター)制度を創設した。すべての保健+医療情報を統合したICTによる情報共有プラットフォームの導入など、日本よりも進んでいる取り組みもある。今回は地域医療機関に加え、漢方専門大型病院など日本にはない医療の現場にも密着。医療と介護の連携の取り組みの実際についても把握できる。

    ●上海市における公民連携(官民連携)による「社区食事センター」や「見守り安否確認活動」など、地域の中で住民たちが支え合う生活支援システム、いわゆる上海「地縁社会」の取り組みは日本が「地域共生社会」を考える上で参考になるとともに、日本での実践を振り返る機会となるはず。地元の人々の日常生活の様子や高齢者ケアの実態をリアルに観察できる。

    ●介護分野における日本企業による中国進出に成功事例が少ないのはなぜなのか? ビジネス成功の糸口はどこにあるのか?など、他の一般的なツアーでは得がたい高密度な生の情報源に直接アクセスできるクオリティの高いツアーとなると確信しています。この機会をぜひともご利用いただければと存じます。

                                          

    ■視察期間:

    2018年4月8日(月)~11(木)3泊4日

     

    ■参加料金

    一人228,000円(1人部屋利用)

    ※上記料金に含むもの:燃油サーチャージ、空港使用料、現地空港税、一人部屋宿泊料金(上海市内4~5つ星ホテル)、現地ガイド及び専用車、3泊分宿泊料金及び税サービス料金、航空運賃(*エコノミークラス)、一部のお食事代

    ※上記料金に含まないもの:OP料金、一部お食事代と飲み物代

     

    ■募集人数

    20名(専門家チーム含む)

     

    ■応募締切

    2018年2月15日(金)

    ※その以降の申し込みは参加料金が変動する場合があります。

     

    ■企画・コーディネータ

    日中福祉プランニング 代表 王 青

     

    ■現地旅行主催

    上海中国国際旅行社(株)日本部

     

    ■お問い合わせ先

    コーディネータ:王 青

    Tel: 090-2069-6791

    Email: wqbizp@hotmail.com

    イベントページで〔参加する〕としていただいた方には、こちらからご連絡差し上げます。

     

    ■ツアースケジュール(3泊4日) 

    4/08(月)

    東京組:成田発―上海(浦東)着 8:55~11:30

    大阪組:関空発―上海(浦東)着 9:05~10:30

    着後合流し、専用バスで介護施設・コミュニティ医療機関を見学

    夕方、ホテルチェックイン

    夕食後、ナイトクルーズで上海夜景を観賞(OP)

    食事:昼(機内食) 夕○

     

    4/09(火)

    専用バスで移動

    朝:朝の公園見学(高齢者の野外リクレーション活動)

    午前:地域密着型デイ・施設等の見学

    午後:上海市民政局を訪問・階段

    夕食後:上海雑技団観賞(OP) 

    食事:朝○ 昼○ 夕×

     

    4/10(水)

    専用バスで移動

    終日:日中合同シンポジウムに参加

    シンポジウム主な内容

    ・ドキュメンタリー「僕とケアニンとばあちゃんたちと」上映&討論

    ・日本専門家より講演(加藤・丹野・高瀬・山国・佐々木)

    ・地元関係者講演

    夜:上海の観光スポット散策)

    食事:朝○ 昼× 夕×

     

    4/11(木)
    専用バスで移動

    午前:漢方専門病院の視察/上海市内散策(豫園など)

    午後:空路・帰国へ

    東京組:上海(浦東)発→成田着 17:20~21:00

    大阪組:上海(浦東)発→関空着 17:30~20:30

    食事:朝○ 昼× 夕(機内食)

               

    ※この行程は2018年1月2日現在の運行予定スケジュールを基準としています。

    ※視察場所や日程は、先方の都合により変更や日時が変わる場合もあります。

     

  • Round Table Discussion 2018

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    在宅医療カレッジ特別企画2018
    〔誰もが幸せに暮らせる「ソーシャルインクルージョン」って何だ? 改めて「地域共生社会」を考える〕

    2018/12/14 東京国際フォーラム

    世界的に進む超高齢化の先頭を走る日本。
    現在28%の高齢化率は将来的に46%に達し、2040年には高齢者の34%、実に日本人の7人に一人が認知症になると予想されています。
    そして現在も、全人口の15%が何らかの障害とともに暮らしています。

    私たちはこれまで高齢者や障害者などを「社会的弱者」・「支えが必要な人」として、一方向性の支援の対象としてきました。
    しかし、「支える側」は人手や財源の不足が深刻化しつつあります。
    一方で、「支えられる側」の人たちの多くは、生活や人生を自らの手で選択することができていません。生きる目的や社会的な役割、コミュニティの中の居場所をも失いつつあります。また、必要な支援が受けられず、社会の中で孤立し、厳しい生活を強いられている人たちもたくさんいます。

    この「支える側」「支えられる側」双方のミスマッチは、医療や介護の現場にも大きな歪みをもたらしています。
    誰もが安心・納得して暮らし続けられる社会を創るために、私たちはどうすればいいのでしょうか?


    今年のラウンドテーブルディスカッションのテーマは「地域共生社会」。

    人と人とのつながりのなかで、誰もが孤立や排除から解放され、コミュニティの一員として包み支え合う。目的を持って生きる、役割を持って生きることで得られる「生きがい」は、私たちの心身の健康維持にもつながることがわかってきました。

    地域包括ケアシステムや医療・介護という発想のフレームを超えて。
    社会全体が「ケアし合うコミュニティ」になるために、そして超高齢社会を明るく豊かな未来として次世代に引き継ぐために、わたしたち専門職や事業経営者は、そして国や行政機関はどうあるべきなのでしょうか。

    今年も最前線で活躍するオピニオンリーダーたちが東京国際フォーラムに集まります。
    年末の東京で、未来の日本を一緒に考えてみませんか?

    ■在宅医療カレッジ2018特別企画
    ラウンドテーブルディスカッション
    〔誰もが幸せに暮らせる「ソーシャルインクルージョン」って何だ? 改めて「地域共生社会」を考える〕

    ■日時:2018年12月14日(金) 18:00~21:00(17:30 開場)
    ■会場:東京国際フォーラム ホールB7 (東京都千代田区丸の内3₋5₋1) 

    <タイムスケジュール>
    17:30~18:00 開場/交流タイム
    18:00~18:55 在宅医療カレッジおよび医療法人社団悠翔会の運営報告
    19:00~21:00 ラウンドテーブルディスカッション
    「誰もが幸せに暮らせる『ソーシャルインクルージョン』って何だ? 改めて「地域共生社会」を考える」

    パネリストの方々にはそれぞれショートプレゼンテーションに加えて、「日本がこれから直面する社会課題」「日本の取るべき今後の方向性」「地域共生社会の実践モデル」の3つのテーマについて議論し、最終的に「地域共生社会って結局なんだ⁈」という問いへの具体的なイメージを共有したいと思います。

    パネリスト(順不同・敬称略)
    ●西村 周三(医療経済研究機構所長/前国立社会保障・人口問題研究所所長)
    ●浅川 澄一(ジャーナリスト/元日本経済新聞編集委員、日経トレンディ編集長)
    ●大熊 由紀子(国際医療福祉大学大学院教授/元朝日新聞医学記者・論説委員)
    ●唐澤 剛(前 内閣官房まち・ひと・しごと創生本部・地方創生総括官)
    ●藤岡 雅美(厚生労働省健康局健康課・課長補佐)
    ●井階 友貴(福井大学医学部地域プライマリケア講座教授)
    ●雄谷 良成(公益社団法人青年海外協力協会 代表理事・社会福祉法人佛子園 理事長)
    ●加藤 忠相(株式会社あおいけあ代表取締役・慶應義塾大学客員講師)
    ●下河原 忠道(株式会社シルバーウッド代表取締役)
    ●佐々木 淳(医療法人社団悠翔会 理事長・診療部長)

  • No.31

    Prof. Kei Okada

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    在宅医療カレッジ31
    〔ホスピス緩和ケアにおけるスピリチュアルケア~いのちの価値と意味の発見~〕

    2018年11月13日 グラントウキョウサウスタワー

    人生の最終段階を生きる人たちに、どのように向きあっていますか?
     

    治らない病気や障害を負ったとき、あるいは人生の最終段階を生きるとき、多くの人は身体的な医療やケアよりも、より多くの精神的な支援を必要とします。

    しかし日本では、身体的医療やケアは多職種連携により提供される一方で、スピリチュアルケアについては具体的な専門職種が決まっているわけではありません。

    多くの場合、その患者さんにとって最適な「個人」がそれを担う形になります。それを担える人がチームにおらず、十分なスピリチュアルケアが行われないまま、残りわずかな時間が経過していくことも少なくありません。
     

    これから本格的な多死社会を迎える日本において、どこで亡くなるか、という以前に、死ぬまでをよりよく生きるための支援について、もう一度考える必要があると思います。また、日本でも社会的機能としてスピリチュアルケアの領域をより強化していく必要性を強く感じます。

    今回の在宅医療カレッジでは、ニューヨークでスピリチュアルケアカウンセラーとして長年活躍されている岡田圭先生を講師にお迎えします。
     

    アメリカではスピリチュアルカウンセラーが患者さんのお宅を定期的に訪問し、他職種とともに専門家として支援チームに加わるそうです。在宅の現場において、ホスピス緩和ケアがどのように多職種で連携しているのか、多くのヒントを得られるはずです。
     

    避けられない運命から目をそらすことなく、最期までその人の「自分らしさ」を尊重し、そして時にその人の「自分らしさ」の変化を見届ける。

    科学的・医学的に理解できる限界である「死」を終着点と捉えるのではなく、そんな理解を超越した限界のない世界を自然に受け入れていくというプロセスを見守る。
    ただ傾聴するのではなく、その人に寄り添い、しっかりと問いかけることで、その人の本当の苦悩や気持ちを引き出していく。
    精神的・文化的・宗教的なバックグラウンドを把握し、再現性のあるフレームワークとしての科学的アプローチを実践されつつ、時に超自然的な解釈すらも受け入れる。

    人生の最終段階を迎える人たちと、そんな関係性が持てたらよいと思いませんか?
     

    さらに今回は、特別座長として、退院支援の伝道師であられる宇都宮宏子先生をお迎えいたします。岡田先生のご講演後に、座長の宇都宮先生、会場の皆さまと一緒に、日本における医療・介護の現場が抱える問題点についても掘り下げていきたいと思います。

    皆さまのご参加を心よりお待ちいたしております♪


    ■教授:岡田 圭先生
    ニューヨーク訪問看護サービスホスピス緩和ケア スピリチュアルケア・カウンセラー主任

    ニューヨーク生まれ、石川県金沢市育ち。上智大学外国語学部卒業後、1982年にロータリー財団奨学生として渡米、1984年よりニューヨーク在住。絵画専攻で美大卒業後、ダンサーたちとの舞台活動を経て、1993年、ユニオン神学校卒業後チャプレンの訓練を受ける。ニューヨーク・プレスビテリアン・コーネル大学医療センター小児科「エイズの子供たちのためのプログラム」クリニック、ハウジングワークス(HIVキャリアのホームレス療養施設)勤務を経て、2006年よりニューヨーク訪問看護サービス(Visiting Nurse Service of New York)ホスピス緩和ケアにてスピリチュアルケア・カウンセラー(チャプレン)として勤務。2015年よりスピリチュアルケア主任。専門チャプレン協会(Association of Professional Chaplains)の認定チャプレン。
     

    ■特別座長:宇都宮宏子先生
    京都大学医療技術短期大学部看護学科卒業。看護師、訪問看護師を経て、京都大学附属病院退院調整看護師。2012年在宅ケア移行支援研究所を設立し、コンサルテーション活動などを行う。

  • NO.30

    Prof. Hiroyuki Murata

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    在宅医療カレッジ30
    〔スマートエイジング:人生100年時代の加齢観と社会課題解決アプローチ〕

    2018年10月31日 グラントウキョウサウスタワー

    高齢化社会は悲惨な社会なのか。

     

    人間は受精した瞬間からエイジングが始まります。加齢に抗う(アンチエイジング)のではなく、加齢とともに成長を続けること(スマートエイジング)こそが重要なのではないか、と東北大学特任教授の村田裕之先生は仰います。

     

    今の日本は「老化=衰弱」という前提に基づき、医療・介護の充実こそが高齢者福祉、という考え方に執着しています。でも、社会福祉の財源は限られており、医療や介護の拡充だけでは幸せにはなれないことは誰しもが感じているはずです。

     

    しかし、歳を取ることを「衰弱」ではなく「成熟」であると捉えることができれば、個人も、社会全体も変わっていくことができるかもしれません。

    支える側/支えられる側を年齢で区別することをやめれば、社会課題としての高齢化というワードは意味を失うでしょう。体力も可塑性も大きい若年層と豊富な経験とスキルを持つ大人たちが上手に役割分担できれば、経済も活性化するかもしれません。

    もちろん加齢に伴い生物学的機能は低下していきますが、それはコミュニティとテクノロジーで補完し得ます。そして、それらが必ずしも公的保険サービスである必要はないのです。

     

    歳をとっても輝き続けられる社会。

    必要なのは、一人ひとりが生物学的機能の低下に左右されない自分の「価値」を見出すことだと思います。

    制度だけに依存するのではなく、一人ひとりが自らの生き様を考え、工夫し、努力することが大切な時代。若さと活力に溢れた、とはならないかもしれませんが、成熟した国もきっと悪くないはず。

     

    今回の在宅医療カレッジでは、シニアビジネス・高齢社会研究の第一人者である村田裕之先生(東北大学特任教授、スマート・エイジング学際重点研究センター企画開発部門長)を講師にお迎えし、人生100年時代に必要な「スマートエイジング」についてご教示頂きます。

    2025年には何が起こるのでしょうか?保険に頼らない持続可能なシステムとは?東南アジアでもフィリピンやベトナムでは日本をお手本としていない?!など、村田先生ならではのビジネスの視点でお話を頂きます。

     

    個人のスマートエイジングを支えるには、民間ビジネスの創造性が鍵になります。今こそ、日本からシニアビジネスを発信する絶好のチャンスです。

    より良い未来のために、医療・介護業界の方のみならず、他分野からビジネスチャンスを模索していらっしゃる方にもおすすめです。より良い未来のヒントを共有しましょう♪

    前半は村田先生のご講義、後半は村田先生と佐々木の対談を予定しております。

    皆さまのご参加を心よりお待ちいたしております♪

     

    ■教授:村田裕之先生

    村田アソシエイツ代表/東北大学特任教授/エイジング社会研究センター代表理事

    新潟県生まれ。87年東北大学大学院工学研究科修了。民間企業勤務後、仏国立ポンゼショセ工科大学院国際経営学科修了。日本総合研究所等を経て02年3月村田アソシエイツ設立、同社代表に就任。06年2月より東北大学特任教授。19年前にアクティブシニア、スマートシニア市場の到来を予言したわが国シニアビジネス分野のパイオニア。多くの民間企業の新事業開発・経営に参画し、常に時代の一歩先を読んだ事業に取り組む。また、高齢社会研究の第一人者として講演、新聞・雑誌への執筆も多数。英語・仏語に堪能で、高齢化の国際情勢にも詳しく、海外諸国より頻繁に講演者として招聘されるなど国際的な活動も多い。18年5月 Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより、優れた業績を上げた人として「GLOBAL AGEING INFLUENCERS」に選ばれた。経済産業省、内閣府、中部経済産業局、情報化推進国民会議などの多くの公職を歴任。主な著書に「成功するシニアビジネスの教科書」(日本経済新聞出版社)、「シニアシフトの衝撃」「親が70歳を過ぎたら読む本」(以上ダイヤモンド社)、「スマート・エイジング」という生き方(扶桑社)、など多数。多くは中国語、韓国語でも翻訳出版されている。

     

    ■座長:佐々木 淳

    医療法人社団悠翔会 理事長・診療部長

    1998年 筑波大学卒業。三井記念病院、東大医学部附属病院などを経て06年に在宅療養支援診療所を開設。08年法人化、医療法人社団悠翔会の理事長に就任。在宅医療に従事する傍ら、よりよい医療やケアのヒントを求め、ヨーロッパの福祉先進国、そして急激に高齢化するアジア各国で医療介護の現場視察や交流を重ねている。近年では東南アジアを中心に招聘講演も多数。18年5月 Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより「GLOBAL AGEING INFLUENCERS」に選ばれた。

  • No.29

    Prof. Ryu Sasae

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    在宅医療カレッジ29
    〔英国GPに学ぶ これからの日本の医療・介護のカタチ~SASAE×SASAKI対談~〕

    2018年9月13日 グラントウキョウサウスタワー

    医療の提供体制はどの国よりも整っているはずなのに、国民の医療に対する満足度は先進国の中でも最下位という現状。

    日本の医療はどこに課題があるのでしょうか?

     

    キーとなるのは「家庭医」かもしれません。

    日本では、臨床医のほとんどが、特定分野の専門医。

    家庭医療も当然、専門性が求められますが、それは担当する医療分野を絞り込むものではありません。家族や社会全体を包含した広い視野、「病気」ではなく「病気とともに生きる人」を診るというスタンス、そして予防に対する取り組み。前回の在宅医療カレッジでは、このような「家庭医療のコンセプト」について藤沼康樹先生にご講演頂きました。

    今回の在宅医療カレッジ29では、英国で家庭医(GP)として活躍されていきた佐々江龍一郎先生をお招きし、GPを中心とした英国の医療の仕組みをご紹介いただくとともに、日本の医療の「これから」を佐々江先生の講演と佐々木との対談を通じて、皆さんと考えていこうと思います。

     

    すべての国民がかかりつけ医を持ち、家庭医療を中心とした医療提供体制となっている英国のしくみ。その中核を担うGPは国民から厚く信頼され、病気の治療のみならず地域の健康づくり、プライマリヘルスケア全般に積極的に取り組んでいます。よりよいケアを提供するための情報プラットフォーム、病診連携、多職種連携の仕組み、かかりつけ医の休日夜間をバックアップする仕組み・・・日本がいま取り組もうとしているものが、英国のプライマリケアではすでに機能しています。

    加えて医療保険という公共財源に対する国民の高い意識。「薬局で買うより病院で薬をもらったほうが安い」なんて考えてしまう某国とは大きく異なります。

     

    前半で、佐々江先生から英国の医療のしくみについてご講演頂き、後半で、世界のさまざまな国の医療制度を学んできた佐々木との対談を通じて、日本の医療の抱える課題と可能性について、そして現場の一人ひとりが明日から取り組めることについて、会場の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

    是非、ご参加下さい(^O^)

     

    ■教授:佐々江龍一郎(ささえりゅういちろう)先生

    NTT東日本関東病院総合診療科

    2005年 英国ノッティンガム大学医学部卒業

    英国で家庭医療専門医の資格を取得し、キングスミル病院、ピルグリム病院、テームズミードヘルスセンター、ウエスト4家庭医療クリニック、ボイラー家庭医療クリニック、コナートスクエア家庭医療クリニックなど英国内の医療機関に所属し、約10年間家庭医(GP)として研鑽を積む。2016年に日本の医師免許を取得し帰国、現在に至る。

     

    ■座長:佐々木 淳

    医療法人社団悠翔会 理事長・診療部長

    1998年 筑波大学卒業

    三井記念病院、東大医学部附属病院などを経て2006年に在宅療養支援診療所を開設。2008年法人化、医療法人社団悠翔会の理事長に就任。在宅医療に従事する傍ら、よりよい医療やケアのヒントを求め、2014年よりイギリス・フランス・オランダなどのヨーロッパの福祉先進国、そして急激に高齢化するアジア各国で医療介護の現場視察や交流を重ねている。