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「死ぬ時ぐらい好きにさせてよ」
宝島社が樹木希林さんを使って「オフィーリア」をモチーフにした企業広告を出したとき、初めて進行がんに罹患していることを知った。
その後の彼女の言動からは、在宅医療を通じて、治らない病気や障害とともに人生の最終段階を生きる患者さんたちに伴走する中で、多くの示唆をもらった気がする。
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人は必ず死ぬというのに。
長生きを叶える技術ばかりが進歩して
なんとまあ死ににくい時代になったことでしょう。
死を疎むことなく、死を焦ることもなく。
ひとつひとつの欲を手放して、
身じまいをしていきたいと思うのです。
人は死ねば宇宙の塵芥。せめて美しく輝く塵になりたい。
それが、私の最後の欲なのです。
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年齢とともに不要なものを削ぎ落しながら、自分らしさを磨き込んでいく。
生に執着するのではなく、残された時間を、自分の優先順位に従って生きる。
病気や他人など、変えられないものに執着せず、自分の考え方を変えることで、病気さえも糧にする。
最期は一番大切にしてきた家族に見守られて旅立ったという。
現世の生に執着しなかった彼女は、その輝きを増して、今なお多くの人々の心の中に生き続けている。
人が生きるというのはどういうことなのか。
彼女の生き様を通じて、改めて考えさせられた。
ご冥福をお祈り申し上げます。
(佐々木 淳)
※2016年 宝島社企業広告 プレスリリースより
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000364.000005069.html